私がアパート、マンションではなくJ-REITで不動産王を目指す理由

投資の分散性を高めるために、ポートフォリオに不動産を組み込むのはアリだと思っています。しかし、現物の不動産を買おうとは思いません。その理由は本文で語っていきたいと思っていますが、一言で言ってしまうと「怖いから」です。
しかしながら何らかの形で不動産を買いたいとは思っているので、管理人タナカはJ-REITを買っています。現物ではなくJ-REITを買う理由と、私の投資方針を語り尽くしていきたいと思います。

不動産は割と安全資産という定説

数ある資産のうち、不動産はミドルリスク資産といわれています。投資系の記事や動画など、だいたいどれも同じような位置づけでしょう。比較的安全でありながらそこそこの利回りが期待できるのであれば、不動産はめっちゃアリなんじゃないでしょうか。

不動産がミドルリスクといわれる理由

投資には、リスク度別の分類があります。リスクが高い順に並べると、ハイリスク、ミドルリスク、そしてローリスク。たくさんの投資をこの3つに分類してみましょうか。

リスク度そこに含まれる投資
ローリスク個人向け国債 定期預金
ミドルリスク投資信託 不動産 REIT インデックス投資
ハイリスク個別株 FX 暗号資産

この他にも色々とあると思いますが、個人投資家が手軽に取り組めるものを分類すると、こんな感じだと思います。ローリスクはいずれも元本保証ですが、ほとんど増えないので「投資」と呼べるかというとちょっと微妙です。
そうなるとミドルリスク以上の投資を選ぶ必要があるわけですが、ハイリスク投資はそれぞれの分野に詳しくないと危ないので、実質的にミドルリスクが主力になってくるでしょう。

FXメインの投資家だからこそ不動産が欲しい

私の投資ポートフォリオは、大部分がFXです。自動売買、スワップ投資、裁量トレードなど種類はさまざまですが、これらはすべてFXです。個別株をほとんどやらない分、FXの比率が高くなっているように感じます。
個別株はセクターがたくさんあるので、株だけでも一定の分散投資ができます。しかしFXで取引するのは通貨ペアだけで、FXだけだと分散効果がそれほど高くはないんです。
そこで、投資を多様化させる一環で不動産もいいなーと思っています。しかし、後述するように現物の不動産投資なんか恐ろしくてできません。たまたま縁あって店舗物件の又貸しはしていますが、これも自分で所有している物件ではありません。そこで魅力を感じているのが、REITです。これも後述しますが、REITの中でもJ-REITに魅力を感じていて、実際に投資もしています。

現物不動産は怖くて私は買えません

なぜ私が現物の不動産投資をしないのか?それは、怖いからです。何が怖いのか、その理由はあまりにもたくさんあるので、1つずつボヤいてみたいと思います。
これに1つでも多く共感できる方は、私ともども現物不動産投資なんかやらんほうがいいです、マジで。

空室リスクが普通にある

不動産投資の収入源は、家賃収入です。「家賃収入と値上がり益を同時に狙える」なんていう論調もありますけど、あれって東京の都心とか値上がりが期待できるような物件だけの話です。そんな物件、すでに高止まりで買えるわけありません。殊更メリットのように言いすぎる記事とか動画には注意してください、たぶん不動産屋が紐づいています
そうなると家賃収入が唯一の収入源ということになりますが、入居者がいなくなったら収入はゼロです。知り合いに区分マンション投資をしている人がいますが、普通に空室は発生します。そして、普通に資金繰りが苦しくなります。
どこの誰か分からない人からのお金が頼みの綱って、やっぱり怖いです。

家賃滞納のリスクも普通にある

ある調査によると、日本全国の家賃滞納率は5.2%(2020年上期)だそうです。ちょっと古いデータですけど、おそらく今も大して変わらないでしょう。20人に1人が滞納しているのって、ヤバくないですか?自分が所有している物件で滞納が発生したらと思う、枕を高くしてなんか寝られません。赤の他人、どんな人かも分からない人からの家賃をアテにするのって、やっぱりリスクが高いと思ってしまうんです。
物件をしっかりと選んで、資金繰りをして、物件を購入して・・・その結果として滞納なんかされたら、カチコミかましてしまいそうです。やっぱり、私には滞納のリスクがある投資なんて性に合わんです。

自然災害のリスクも結構ある

自然災害で所有物件が重大なダメージを受けてしまう、なんてことも現実に起こり得ます。南海トラフ地震が発生したら津波も襲ってくるわけで、しかもそれがいつ起こっても不思議ではないとか言われると、何千万円もお金をかけて不動産を買おうという気にはなれません。
入門書には「火災保険、地震保険に入れば大丈夫」なんて書いてありますけど、そんなに話は単純ではないと思います。

建物はどんどん古くなる

建物や設備は、時間が経つとどんどん古くなっていきます。それに伴って修繕やメンテナンスの費用がかさんでくるので、物件を買ったら終わりというわけにはいかない世界です。
「それを減価償却費として計上できるのでむしろ節税メリット」と言いますよね、もちろんそれは承知していますが、現実に目の前で建物が古くなっていくことを減価償却費だけでペイできるとは思えません。だって、築年数が古くなってくると入居者も集まりにくくなりますし、仮に入居してくれたとしても家賃を下げろと交渉をしてくるかもしれません。

自分で優良物件なんて選べない

これは私の不甲斐なさが原因ですが、そもそも自分で優良物件を選ぶなんて私にはできません。「不動産会社を味方につければ目利きを任せられる」なんて書いてありますが、それだけ信用できる不動産会社を見つけることなんて、私にはできません
糞物件を掴まされて空室に悩む未来・・・嗚呼、考えただけでもアカンアカン!

管理会社を信用できない

不動産投資は物件の管理を専門の管理会社に任せられる・・・はい、確かにそれは事実です。しかし、管理会社に任せるのにも費用がかかります。しかも安い管理会社に任せるとちゃんと仕事をしないケースもあるんだとか。そんなん、誰も信用できんやん。
私のように他人を信用できない人間にとって、管理会社は不動産会社と並んで疑ってしまう存在です。そんな人間が管理会社にお任せ、なんてできるはずもありません。

そもそも、そんなに金はない

最後に「そもそも論」を持ってきました。そもそも、私に不動産を買うだけのお金はありません。自己資金は1割から2割、残りは融資を利用すればいいと書かれていますね、もちろんそうでしょうとも。
しかし、その自己資金すらすぐには用意できない、また融資の審査で最も不利なフリーランスの物書きが審査に通るとでも?
他の投資を中止して不動産に回せば自己資金くらいは用意できると思いますが、融資の審査に通る自信が全くないので、そもそも私にとって現物の不動産投資なんて絵に描いた餅なんです。

J-REITで不動産を買うメリット5選

さんざん現物不動産の悪口(?)を並べ立ててきたわけですが、それでも不動産を投資のポートフォリオに組み込むことには魅力を感じています。そこで私は間接的な不動産投資として、J-REITを選びました。
J-REITは実に素晴らしい金融商品です。その素晴らしさを、メリット5選を交えつつ紹介します。

J-REITとは?

J-REITとは、上場している不動産投資信託のことです。REITとは不動産投資信託のことですが、その中でもJ-REITは東証に上場している銘柄群のことを指します。
投資法人が株式会社のように上場していて、投資家はJ-REITを買うことによって投資法人にお金を託します。投資法人はその資金で不動産を運用し、得られた利益を投資家に分配します。
運用対象は不動産に限定されているので、J-REITを保有することで不動産に投資しているのと同じ効果が得られます。

プロの目利きがタダ同然

J-REITは、だいたい60前後の銘柄が上場しています。J-REIT同士で合併をしたり新規上場があったりで微妙に増減していますが、長期的に見ると順調に銘柄数が増えています。
これらの投資法人はそれぞれ、投資する分野別に分類されています。ホテル主体型、事務所主体型、物流施設主体型、住居主体型、みたいな感じです。それぞれ名称で何に投資しているのかだいたい分かりますね。それ以外にも複合型や総合型といって複数の分野の不動産をミックスした銘柄もあります。
それぞれのJ-REIT投資法人には不動産のプロがいて、彼らが目利きを発揮して優良物件を購入します。投資法人が利益を上げなければ投資家からの資金は逃げてしまうので、彼らは収益を安定化させるために本気で物件選びをしています。投資家と投資法人の関係がWIN-WINになっているわけです。
そんなプロの目利きが、タダ同然です。もちろん投資法人の利益を抜いたあとで分配金が支払われるのでしっかり費用は払っているんですが、投資家のためにもなる仕事をしているのですから、それは妥当だと思います。

分散性が高くリスクに強い

それぞれの投資法人は、常に複数の物件を運用しています。現物不動産だと特定の物件と運命を共にすることになりますが、J-REITは単体の銘柄を持っているだけでも一定の分散効果があります。
複合型、総合型のJ-REITであれば不動産の分野も分散されるため、よりリスクの分散性が高まります。
あとで解説しますが、そんなJ-REIT全体に投資する方法もあるので、それなら最強の分散投資が完成します。

不動産関連商品のような期限がない

J-REITは現物の不動産所有を伴わない、不動産関連の投資商品です。不動産関連商品は、J-REIT以外にもあります。不動産クラウドファンディングや、不動産小口化商品などです。これらも間接的な不動産投資ができるので現物と比べると魅力的なんですが、これらの商品にはいずれも期限があります。期限を迎えると自動的に運用終了となって資金が戻ってくるわけですが、もっと長く投資していたいというニーズは満たせません。また別の商品を購入して投資し直すことになります。
J-REITには期限がなく、自分が売りたくなった時がやめ時です。自分のペースに合わせて持ちたいだけ持っていられるところにも魅力を感じています。

東証の厳しい上場基準を満たしている

株式を上場することにおいても、東証はとても厳しい上場基準を設けています。それはJ-REITについても同じなので、東証に上場しているということは一定の信用をしてもいいと思っています。
しかも何かやらかしたら上場廃止になってしまうので、投資法人も滅多なことはできません。自分の大切なお金を預けるんですから、これもかなり大事なことです。

分配金の配当性向が高い

J-REITには、投資法人が利益の90%以上を分配すると法人税が実質的にタダになる、という仕組みがあります。法人税は投資法人にとっても見過ごせないコストなので、当然どの投資法人も90%以上を分配して法人税が免除になる道を選びます。
利益のほとんどを投資家に分配しているので配当性向が高く、安定したインカムゲインになります。

私が実践しているJ-REITインデックス投資

J-REITの魅力を余すところなく語ったところで、それでは私が実践しているJ-REITの投資について解説します。といっても特に難しいことはしておらず、単に「J-REIT全体に投資」しているだけです。

東証REIT指数=「日本の不動産ほぼ全部」

東証には、東証REIT指数という指数(インデックス)があります。これはJ-REIT全体の値動きを指数化したもので、さまざまな分野のJ-REIT全体の動向を知るのに役立ちます。つまり、東証REIT指数は実質的に「日本の不動産ほぼ全部」の動きを示していることになります。あ、もちろんほぼ全部といっても過疎地の廃屋みたいな不動産は含まず、あくまでも投資価値のある日本の不動産ほぼ全部です。
そして、素晴らしいことにこの東証REIT指数と連動するように運用されているETF(上場投資信託)があるんです。これを保有すれば、「投資価値のある日本の不動産ほぼ全部」に投資ができるわけです。
これを私は、J-REITインデックス投資と呼んでいます。

東証REIT指数連動ETFの中でも1476を買い進める理由

東証REIT指数に連動するETFは、1つではありません。2025年2月時点では10銘柄がありました(日本取引所より )。その中でも私は、「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」を買い進めています。
なぜか?その理由はいくつかあります。

1株単位で買える

いくつかある東証REIT指数連動ETFの中でも、この「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」は1株単位で買えます。これって案外重要で、10株や100株単位だと資金がある程度まとまらないと買えませんし、分配金で買い増しをしようとした時に小刻みに買えません。
分配金で買い増しをすると複利が効いてくるので、これは絶対に外せません。そこで細かく買い増しができる1株単位というのは魅力的です。

ブラックロックが運用している信頼感

この「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」を運用しているのは、アメリカの資産運用会社、ブラックロックです。アメリカの大手運用会社であり、世界各国に勢力をもつ超一流運用会社です。
もちろん東証に上場しているようなETFはどれも信用できるんですが、ヴァンガードやステート・ストリートと並ぶアメリカの超一流運用会社であれば、しっかり運用してくれるでしょう(そのはず)。

信託報酬が安い

ETFは運用会社の取り分にあたる信託報酬が発生します。信託報酬の分だけ運用利回りが下がることになるので、コストにもシビアであるべきです。数ある東証REIT指数連動ETFの中でも「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」は信託報酬が0.15%と安く、これはほぼ最安レベルです。
もっと安い0.145%の「MAXIS Jリート上場投信」もあるんですが、こちらは売買単位が10株です。一番安いけれど1株単位で買い増しができないということで、「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」を選んでいます。

NISAの成長投資枠で買える

これは「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」以外のETFについても同じですが、新NISAの成長投資枠で買えるのもポイント高いです。何せ、20.315%もかかる運用利益の税金がゼロになるんですから。
さすがにそこまでの規模にはならないと思いますが、NISAの成長投資枠は上限が1,200万円なので、かなりの規模まで無税で投資ができます。

何だかんだで利回りは4%後半

私が保有し、買い進めている「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」の最新利回りは、4.67%(2025年2月時点)です。最新の利回りはこちらで確認できるので、気になる方はチェックしてみてください。

【リンク】iシェアーズ・コアJリートETF(1476)

私が投資を始めてから、おおむね4%台で推移しています。私が思う手堅い投資で4%台の利回りが得られるのって、割と優秀じゃないですかね?

今は3か月に1回の分配金で買える分を買い増し

私は当初、「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」を毎月積み立てて買い増していました。今では別の投資にも力を注ぎたいということで若干トーンダウンしていますが、それでも分配金が出たら買える分だけ買い増しをしています。
いずれまた入金力を回復できれば、こちらも毎月20~30株くらい買い増ししていきたいと思っています。
特に2024年から「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」は安値圏での推移が続いているので、買うチャンスは続いているんですけどね。

J-REITインデックス投資で目指すもの

私がこの「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」によるJ-REITインデックス投資で目指すものについて、最後に語っておきたいと思います。

分配金による安定収入

「iシェアーズ・コアJリートETF(1476)」の分配金は、年4回です。2月、5月、8月、11月に分配金が確定して、その翌月に入金されます。つまり、入金されるのは3月、6月、9月、12月です。
こちらは2024年の分配金履歴です。だいたいそれぞれの17日から19日のあたりに入金されているのが分かります。

今後この保有数を増やして、年4回のお小遣いにしたいと思っています。今はまだ毎回の分配金が1万円弱ですが、これを大きくしていけば数万円くらいにはしていけるかなと。
FXと比べると利回りはショボく感じる部分はありますが、不動産の大家になった気分で手堅く分配金を得る方法も持っておきたいです。

インフレ対策

知らない間に、日本はインフレが進んでえらいことになってきています。「キャベツが千円!」なんて極端なニュースもありましたけど、スーパーに行っても物価が高くなっていることを感じている人はほぼ全員ではないでしょうか。
それもそのはず、2025年2月に発表された日本のCPI(消費者物価指数)は、なんと前年同月比でプラス4%。去年の同じ頃に1万円で買えたものが、今では1万400円出さないと買えません。平均でこれなんですから、モノによってはもっと値段が跳ね上がっているものもあるでしょう。
不動産は現物資産なのでインフレ対策になるといいます。インフレが進むと不動産価格も高くなるので、インフレの進行と同時に資産も増えるという寸法です。
しかし、チキンの私は現物不動産なんて買えないので、J-REITでインフレ対策をしたいと思います。もちろん不動産価格が上昇すればJ-REITの価格も上昇して、東証REIT指数も上昇するはずですからね。

NISAの成長投資枠を埋める

NISAの非課税投資枠は、全部で1,800万円あります。このうちつみたて投資枠で株のインデックス投資をしているんですが、これだけですべての枠を埋めようとは考えておらず、分散投資の一環として不動産を組み込みたい、つまり東証REIT指数を組み込みたいと考えています。
株のインデックスは日経平均株価とS&P500、ナスダック100指数の3つを積み立てていますが、その残りはこの東証REIT指数で埋めるのが理想です。

まとめ

今回は、不動産に投資したいけれどチキンの私にはできない、そこで不動産の詰め合わせパックであるJ-REITインデックス投資をしている件についてお伝えしました。
東京都心の優良物件なんて到底買えませんが、そんな物件にもイッチョカミができるというのも気分がいいですし、これからも少しずつ保有数を増やして分配金が増えるのを楽しんでいきたいと思います。

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