FIREの強い味方、MT4のFX自動売買で重要すぎるEAの選び方
FIREとは、資産運用による収入で生計を立てて経済的な自由を手に入れるという意味です。FIREを達成するためには資産運用で生計が立ち、自由を手に入れることがとても重要なわけです。その意味で、放ったらかしで利益を狙えるFXの自動売買は欠かせない重要な運用手段です。
特に資産規模がまだまだ大きくない人にとって、FX自動売買は運用利回りが高いので少額FIREを目指している人にも魅力的だと思います。FXの自動売買といえばMT4(Meta Trader 4)がめっちゃ有名で、すでに多くの自動売買成功者がいる世界です。MT4による自動売買の基本については別記事でしっかり解説しているのでそちらを参照していただくとして、今回はMT4(MT5も)でのFX自動売買の核となるEAについての解説を、選び方も含めて展開したいと思います。
なお、MT4の基本についてはこちらをどうぞ。
それでは、EAについての本編です。
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EAの役割
EA(エキスパート・アドバイザー)は、MT4やMT5に組み込んで自動売買をするためのプログラムです。MT4やMT5は単なる取引プラットフォームなので、単体では自動売買はできません。そこにEAを組み込んで自動売買を許可することによって、相場の24時間監視&自動売買が始まります。
こちらは、MT5で2つのEAを稼働させている画面です。私がVPS上で運用している自動売買の1つです。

NZD/USD(NZドル/米ドル)とGBP/USD(英ポンド/米ドル)でそれぞれEAを稼働している状態です。これについては無料のEAだけでコツコツと利益が出ているので、また別の記事で詳細を紹介しますね。
EAの選び方
まず、前提として知っておくべきことがあります。それは、「MT4とMT5にはEAの互換性がない」という点です。それぞれ同じソフト会社が作ったソフトでMT4の後継がMT5なのですが、それなのに互換性がないんです。これまでの実績やリリースからの期間という関係もあってMT4のほうが圧倒的にたくさんのEAが流通していて、しかも優秀なEAもMT4のほうが多いのに、それをMT5では使えません。
そこで、EAを選ぶ際には必ずMT4用なのか、MT5用なのかを確認する必要があります。特にMT5用のEAの場合は、そもそもMT5に対応しているFX会社が少ないので、EAを入手したのに自動売買に使えないといったことも考えられます。
拡張子が「.ex4」になっているファイルがMT4用、「.ex5」になっているファイルがMT5用ということも覚えておくといいと思います。
EAの評価に知っておきたい指標
EAを選ぶのにおいて、一番気になるのは「稼いでくれるEAであること」でしょう。本当に稼いでくれるEAなのかどうかは、実際に稼働させてみないと分かりません。しかし、これまでの実績や「過去の相場で稼働したらどうなっていたのか」といった指標である程度の実力を知ることができます。私がEAを選ぶ際に注目しているのは、以下の指標です。
注目している指標 | 指標の見方 |
PF(プロフィットファクター) | 総利益を総損失で割って算出する指標です。分子が総利益で分母が総損失になるので、利益のほうが上回っているとプロフィットファクターは1.0以上になります。最低限でもプロフィットファクターが1.0を超えていることが前提で、数字が大きいほど利益の割合が大きいことになります。 |
DD(ドローダウン) | EAを稼働していて、これまでに起きた最大の損失を示します。パーセンテージで示され、仮に最大ドローダウンが10%の場合、運用資金が100万円であれば10万円の損失が出たことがある、という意味です。 EAを選ぶ際にドローダウンを見ておかないと、一時的とはいえ損失額が想像以上に大きくなってしまって口座がロスカットになってしまうといったことも起こるため、リスク管理上とても重要な指標です。 |
推奨証拠金 | EAを稼働させるのに推奨される資金額です。必ずしも推奨証拠金を用意する必要はありませんが、推奨されている金額よりも少ない資金でEAを稼働する場合はロスカットのリスクが高くなります。その場合は、運用する際のロット数を少なくするなどの調整が必要になります。 |
他にもたくさんの指標がありますが、ひとまずこの3つさえ見ておけば、大ハズシをすることはないと思います。私はプロフィットファクターについて、最低でも1.2以上、実際に選ぶ際には1.3以上であることを目安にしています。
単一型か、ナンピン型か、ナンピンマーチン型か
EAを比較検討していると、解説文のところに「単ポジ(単一ポジション)型」や「ナンピン型」「ナンピンマーチン型」といった文言が出てきます。これもEAの特徴を表すとても重要な部分で、違いは以下のとおりです。
EAのタイプ | 特徴が示す意味 |
単ポジ(単一ポジション)型 | 基本的に1つのポジションを持ち、それが決済されるまでは他のポジションを持たないEA。損益のどちらであってもポジションが勝手に多くなることはないため、資金管理をしやすい。その一方で最初のエントリーが失敗だとそのまま損失で終了します。 |
ナンピン型 | 1回目のエントリーでうまく利益にならず含み損を抱えたら、さらに2回目、3回目とナンピンのエントリーをしていくタイプのEA。複数回のナンピンでトータルのプラスを狙うのでトレードが成功する確率は高くなりますが、ナンピンをしても失敗したらダメージは大きくなります。 |
ナンピンマーチン型 | ナンピンにマーチン(マーチンゲール)を加えたタイプのEA。マーチンゲール法とは、1回目に負けたら2回目はロット数を増やして挑み、どこかで勝てば1回目からの負けを全部取り返せる手法です。ギャンブルの世界でよく用いられる手法ですが、FXの自動売買においてもマーチンゲールの手法を取り入れることで勝率を高めることができます。 マーチンゲールを繰り返していけばいつかは勝てるため、理論的な勝率は100%です。しかしその前に資金が尽きてしまうと致命的なダメージになるので、資金に余裕を持たせておかないとリスクが高くなります。 |
単ポジ型は毎回が1回ずつの勝ち負けになるため、それほど資金がなくても始められます。ナンピン型とナンピンマーチン型は勝てるまでポジションを増やしていくので、少額だと厳しいと思います。もちろん設定でナンピンの回数やマーチンゲールでロット増やしていく比率などを決められますが、それでも「勝つまでポジションを増やす」という考え方なのは変わりがないので、少なくとも100万円程度の資金がないと難しいでしょう。
EAの特性、トレードの特徴
次に、EAがどんな特性を持っているのかもチェックしましょう。大きく時間軸によって分けられます。おおむね3つに分けられると思います。
時間軸 | トレードの傾向 |
スキャルピング型 | 短い場合は数分、長くても数時間以内にトレードを終えるEA。小刻みに利益を積み重ねていくので、1回あたりのトレードでそれほど大きな利益は狙いません。 |
デイトレード型 | 基本的に1日以内にトレードを終えるEA。含み損があってもその日の終わりにポジションを手仕舞いする設定ができるEAもあります。デイトレードなので数十pips程度の利益を狙います。 |
スイング型 | 一番長い時間軸のEAです。短くても数週間、長いと月単位でポジションを持ちます。自動売買は基本的に放置なので、スイング型のEAを運用していると、運用していることを忘れるほどの放置プレイになります。狙う利益は100ぴps以上であることが大半。 |
3つ目のスイング型というのは、裁量トレードでいうスイングトレードを自動化するEAです。説明でも触れているようにトレードの回数が少なく完全放置プレイになることが多いので、EAを運用している実感があまり持てないかもしれません。私は退屈なのでスイング型は運用していません。スキャルピング型など頻繁にトレードをしてくれるほうが見ていて面白いですし、日々の成果を実感できます。
EAを選ぶ際にはバックテスト情報をチェックしよう
EAを入手する方法については、以下の記事でも解説しています。私は国内の「Gogo Jungle」というサイトから購入することが多いですが、無料EAをMQLマーケットからダウンロードすることもあります。
EAの入手・購入する前にその実力を知るうえでとても重要な作業があります。それが、バックテストです。バックテストとは、そのEAを過去の相場で運用していたらどうなっていたか?を知るためのテストです。バックテストは自分でやることもできますが、そのためにはEAを入手しないといけません。そのため、購入前は販売サイトなどで公開されているバックテスト情報を見て比較することになります。
こちらは、私も運用している「ユーティリティ・プレーヤー」という人気のEAの公式サイトにあるバックテスト情報です。

プロフィットファクターやドローダウンなどの指標を見ることもできますね。他にも色々とデータがありますが、難しいと思ったらそこまで気にする必要はありません。重要なのは、一番下にあるグラフです。きれいな右肩上がりになっているのが分かります。過去にこの「ユーティリティ・プレーヤー」を運用していたらこのグラフのように資金が増えていたことを示しています。
あまり乱高下しているEAは運用を始めるタイミングや止めるタイミングによって有利不利ができてしまうので、このように安定して右肩上がりになっているEAがいいと思います。
なお、この「ユーティリティ・プレーヤー」はMT4用です。EAの名前のところをクリックするか、以下のグラフ画像からも公式サイトを見ることができます。
EAの直近の実力を知るのに見ておきたいフォワードテスト
先ほどのバックテストは、過去の相場に当てはめた場合にどうなるか?を示す情報です。EAを購入前に選ぶのにあたってはバックテストだけでなく、フォワードテストもしっかりチェックしておきましょう。フォワードテストはEAが販売・配布開始になってからの運用成績です。バックテストと違ってより実際の運用に近い成績を見ることができるので、バックテストと同様に注目しておくべきです。
例えば先ほどから紹介している「Gogo Jungle」の場合、各EAの販売ページにフォワードテストが公開されています。こちらは、「ユーティリティ・プレーヤー」のフォワードテスト状況です。

2025年5月になってからのフォワードテスト結果をキャプチャーしてみました。5月14日の時点で10回のトレードをしていることが分かります。このEAはだいたい1日に1回弱程度のトレード頻度なので、平均的な回数です。このフォワードテストはEAが販売されている限り更新され続けていくので、購入前には最新のフォワードテスト状況をしっかりチェックしましょう。
なお、このフォワードテストでは外為ファイネストのデモ口座を使っているようですね。私は外為ファイネストの本番口座で「ユーティリティ・プレーヤー」を運用しているので、このフォワードテストとほぼ同じ運用結果になっています。FX口座が変わると同じEAであってもフォワードテストと実際の運用に若干の違いが生じることがあるので、それも留意しておいてください。
今回のまとめ
FIREの強い味方として私はMT4、MT5によるFX自動売買を運用しています。今回はMT4、MT5での自動売買に欠かせないEA(エキスパート・アドバイザー)の選び方について解説しました。難しくてよく分からないという声をよく聞きますが、実際にやってみると大したことはありません。すでに実績のあるEA職人が作ったEAを入手し、それを用意したFX口座とVPSで稼働させるだけです。それだけで実績のあるトレーダーと同じトレードができるのですから、こんなに強い味方はいません。
ぜひ、しっかり稼いでくれるEAを選んで、FIREを目指しましょう!