トランプショックで絶望している方々へ

「●●ショック」と呼ばれるようなショック相場は、過去に何度もありました。2025年4月は、トランプ大統領が発表した全世界への相互関税で、「トランプショック」と名付けられるような暴落が起きましたね。日経平均が毎日1,000円以上下げて、アメ株も見たことないような暴落を見せました。チャートで見ると、吐き気がしそうなレベルです。

日経平均は6,000円以上の暴落?

38,000円台から33,000円台まで、実に5,000円の下落。そして週明けはもう一押しくらいの下落があると見ているので、下落幅は6,000円以上?2024年の夏には4,500円の大暴落というのがありましたが、すでにそれを上回っています。ただ、この時の4,500円暴落は1日で起きたので、さすがにそこまではいきませんが。どちらかというとリーマンショックのように続落につぐ続落というイメージです。

「最強指数」のS&P500も大暴落

5,700ポイントくらいあったものが、5,000ポイント割れ寸前。「最強指数」とも呼ばれるS&P500であっても、この体たらくです。新NISA勢で「オルカン一択」「S&P500一択」という投資をしてきた人にとっては、顔面蒼白ですよね。しかも新NISA勢の多くは投資初心者、それまで投資経験がなかった人も多いことでしょう。それだけにビビって狼狽売りしてしまった人も多いみたいですし、まさに阿鼻叫喚です。

トランプショックで考えられる対策4つ

このトランプショックで株や投資信託などを買っている人が取りうる選択肢は、4つあります。これはとても重要な選択なので、絶望している方は1つずつ心して読みこなしてください。

①ぶん投げて投資から撤退

儲かると聞いたから始めたのに、大損。まだまだ暴落があるかもしれないのに、こんなの付き合ってられない!ということで持っている株や投資信託を全部投げ売り売りする選択をした人は意外に多いようです。SNS上ではそんな投稿を多く見かけました。初めて取り組んだ投資でこんな大暴落を食らったら、確かに面白くないですよね。
それなら仕事してたほうがマシということでぶん投げる・・・それも悪くないでしょう。ただし、そういう人は今後投資には関わらないほうがいいです。今後も同じようなことは何回もありますし、トランプ大統領の在任中はさらにこういうことが起きる確率が高いですから。そのたびにぶん投げてたのではお金がいくらあっても足りないので、スパッと損切り、スパッと投資からの撤退が吉です。

②一部損切り

さすがに大暴落をしたものの、持っている銘柄によってはまだ見込みがあるものもありそうだ、ということで一部損切りという選択肢もあります。この場合は何を損切りするのかの取捨選択がとても重要になりますが、まだ投資の世界で戦おうという意思はあるわけで、今後はさらなるリスク分散を期するのがいいと思います。
買う商品の分散だけでなく、時間軸の分散がとても大切です。例えば100万円を投資する場合は、私なら10万円ずつ10回、さらにいえば1万円ずつ100回に分けて投資します。それなら大暴落が起きても安値を拾えるので、最初に買った価格と心中しなくて済みます。この手法はドルコスト平均法といって、個人投資家の勝ちパターンとして広く用いられています。この暴落を機に投資を始める方は、ぜひこの手法を実践してください。

③ナンピン

暴落したらまた同じ商品を買って、平均取得価格を引き下げる手法をナンピンといいます。当研究所ではFXのナンピンについて解説しています。FXの話ではありますが、他のあらゆる投資商品にも応用できます。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

FXでのナンピンは悪者?いえいえ正しく使えば強力な防御になります

FXにはナンピンと呼ばれる手法があります。相場が逆行して含み損が出ている時に、さらにポジションを増やして平均レートを有利な方向に持って行き、相場の反転を待つ手法…

今回のような暴落が起きた時に、ナンピンで立ち向かうのもひとつの方法です。特にFXで大きな含み損を食らった場合は、ナンピンで反発を待つのも一考でしょう。ただし上の記事でも述べているように、ナンピンはリスクが高い手法です。うまくいけば最初の含み損を「無かったこと」にできますが、失敗したらさらに傷口を広げてしまいます。
トランプショックの底が見えない段階なので、安易にナンピンをするのはおすすめしません。もっと落ちるところまで落ちて、ちょっと反発してからでも遅くないと思います。

④これまで通り投資を続ける

実はこれが最強の選択肢です。もちろん、含み損を放置するのが最強なのではありません。暴落を想定した投資をしていて、その上で実際に暴落が起きても予定通り投資を続けるのが最強だという意味です。
先ほどドルコスト平均法について触れましたが、ドルコスト平均法を続けている人にとって暴落は同じ投資額でたくさん買えるので、むしろオイシイ展開です。これをオイシイ展開にできた投資家は、これまで通り持ち続けて、積立をしている人は予定通り積立を続けます。これが最強の形なんですが、なかなかそううまくはいきませんよね。事実、私も今回はFXでかなり大きな損失を出してしまいました。投資信託ではドルコスト平均法ができていても、FXでは一発勝負みたいなトレードをしてしまっていたので、それがあえなく爆損・・・めっちゃ反省しつつ、週明けの相場と戦いたいと思います。

積立投資勢にとってはむしろチャンス

先ほどから話に出てくる、ドルコスト平均法。積立投資をしている人は、これを自動的にやっているはずです。毎月●万円ずつ、といった感じで同じ金額で買える分をコツコツと積み立てていく手法です。この手法で大事なのは、「毎月同じ額で買える分を買い続ける」こと。それをすることで安い時には多く買い、高い時には少なく買うことになります。安い時には大きく投資して、高い時には高値掴みを防げるわけです。

ニッセイアセットマネジメント公式noteより引用

私は日経平均株価とS&P500、ナスダック100指数の3つについて、毎日少しずつ買い続ける自動積立設定をしています。2024年の夏の暴落を機に始めたので、もちろん今回の大暴落をモロに食らっています。しかしながら暴落後の安いところもしっかり拾っているので、長期的にはこれが平均化されてプラスになると考えています。この投資については全く心配していないので、トランプショックも「勝手にやっとけば」と思ってます。

明けない夜はなし、冬のあとには春がやってくる

大暴落が起きると「もう終わりだ」という論調が駆け巡ります。SNSとかYoutubeを見ていると、余計にそういう投稿が多く感じます。そのほうがアクセス数を稼げるからでしょう。しかし、明けない夜はないですし、冬のあとには必ず春がやって来ます。これまで世界のマーケットでは何回も「もう終わりだ」と言われるようなショック相場が起きて、そのたびに立ち直ってきました。
株は特に、長期的には上がっていくものなので、このまま持ち続けられる人は持ち続けることをおすすめします。売りにしても狼狽売りをしないようにしましょう、それこそ売り込んできている投機筋(という名の金融マフィア)の思うつぼです。FXはレバレッジが掛かっているだけにロスカットの恐怖があるわけですが、これも狼狽して全損切りをしてしまうと大きな損失だけが残ることになりかねません。一部を損切りしたり資金を追加しながら証拠金維持率が下がり過ぎないようにするといったことも、状況によってはアリだと思います。私は大きな含み損が出ている口座に資金を補充し、30万円分ほど損切をしました。どうにか金曜の晩はそれで持ちこたえましたが、週明けにまた含み損が拡大するようであれば大胆な損切りを考えています。株と違って為替は長期的に行ったり来たりする相場がほとんど。これを乗り切れば、また朝がやってくると信じられるからこそ、できることです。
私も絶望の淵にある一人なので、同じように絶望に瀕している方々も一緒に頑張りましょう!